Chapter2:戸惑い ページ8
「じゃあ決まりだ」
そう告げると、へにゃへにゃとてんちょーは微笑む。やめろ、だから変なところで変なやつにつけ込まれんか心配になるんだ。
「あとはコネくんが了承してくれるかどうかだね」
「コネシマ？コネシマは情に篤い奴だから喜んで認めるだろう」
そんなことを言っていると、勝手口の鈴が鳴った。
ひょこ！と顔を出すコネシマは一角にいる俺達を見た瞬間に尻尾を振り出した。おうおうその尻尾みえてんぞぉ。
「なんやここにおったんかい、と、新しいひと？」
「コネ、遅刻や」
「ええやんええやん？まだ業務時間違うし！」
「おっ言い訳とはやりますねぇ解雇かぁ？」
「ちゃ、ちゃうやん、あ、ほら戸惑ってるやんなぁ！？」
焦り気味のなのがちょっと面白い。
どうも、と会釈するtowacoは曖昧な笑みだ目の奥がコネによって解れた気もする。コネの溢れ出るような誠実さがここで生きるとは思っていなかったが、まぁいい傾向だ。このままコイツが何者なのか測ることが出来ればてんちょーに放任できるかどうかわかる。
「どうも、towacoいいます」
「お？おおー、俺コネシマ！よろしく！」
「へへ、じゃあ正規従業員は全員集合になるね？じゃあミーティング始めましょう！」
ゆるゆると始まったミーティングだがこれが割と重要なのはわかりきっていることだ。
とりあえず年度始めとしての様々な会社との契約の更新内容についてだけは提案する。
「今年もこんな感じで。
あとはトントンとの更新だけだから俺行くわ」
「ん、トントンのところなんだけどね、towacoさん付いて行きませんか？割りといい人ですよ、トントンさん」
お？てんちょーはどこまでtowacoを介入させるのだろう、これは聞きどころか？
あっ俺もみる！と駆け寄ってきたコネシマに資料を提示する。その椅子座れば？
手持ち時沙汰にコップを弄んでいたtowacoの手が止まった。
「それって私たちが、そのトントンさんのとこ行くんですか」
「今回はトントンがくる」
「それなら参加させて頂きます、私人付き合いが上手くないので、相手のホームでは割と喋りづらいんですわ」
じゃあ決まり！と頭に花でも咲いていそうなてんちょーは笑う。
絶対、towacoは、何かを、隠している。
彼はまた手元のコップを弄り始めた。
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ししのめ(プロフ) - 緑月翡翠さん» コメントありがとうございます。得としていただける人がいて嬉しい限りです。まだまだこれからですのでお楽しみ下さい！ (2017年1月13日 17時) (
レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - コメント失礼します！とわぽんと我々とか何これ私得じゃねぇか！と、一気に読まさせて頂きました。めっちゃ面白いです、これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2017年1月13日 16時) (レス) id: 36e773549b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししのめ | 作成日時：2017年1月1日 11時
