Chapter1:出会い ページ2
冷蔵庫に、ものがたりない。
まぁ、でも、今日はミーティングだけの日だしそのミーティングまでまだまだ時間はあるし忘れないうちに買ってしまおう。
そんな浅い考えで商店街に繰り出した私の帰り道、唐突に桜が見たくなって公園へ立ち寄ろうとした。
「あの、すみません、食べ物持ってますね」
声がした気がして、後ろをふりむいても、あれ、誰もいない。
勢いに任せて振り回されて、かさりと確かにある買い物袋が音を鳴らす。
「もーちょい下です、そう、そこ」
誘導のままに公園の中に目を向けると、ブランコに座り込む男の、人？
ええ、男の人！？
「だ、大丈夫ですか？」
思わず声をかけて、走りよると、その人は曖昧に笑みをうかべた。
「化かしません、騙したりしないので拾ってください」
「へ？」
ぐるる〜と大きな音を立てて騒ぎ立てる彼の腹の虫に、いろいろとすっ飛ばして思考が回転し始めた。
とりあえず、なにか料理でも振る舞う、かな。
うん、そうしないと。困っている人は見かけた分だけ助けたいと思うのはきっと、おばぁちゃんの教育の賜物だ。
「たてますか」
「お嬢ちゃん助けてくれるん？ありがとな」
手を差しのべると、大きくて暖かい手が重なった。
立ち上がった彼は大きいけど、確かに血色が悪くて細い。
「私の手料理で良ければ、なんですけど」
「大歓迎ですよ」
見上げた顔に、無意味に心臓が跳ねた。
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ししのめ(プロフ) - 緑月翡翠さん» コメントありがとうございます。得としていただける人がいて嬉しい限りです。まだまだこれからですのでお楽しみ下さい！ (2017年1月13日 17時) (
レス) id: 6cdb4f864d (このIDを非表示/違反報告)
緑月翡翠(プロフ) - コメント失礼します！とわぽんと我々とか何これ私得じゃねぇか！と、一気に読まさせて頂きました。めっちゃ面白いです、これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2017年1月13日 16時) (レス) id: 36e773549b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ししのめ | 作成日時：2017年1月1日 11時
