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そんなある時から
Aの様子がおかしくなった
いつも何かを考え込んでいて
部屋にこもることも多くなった
隣にいる望は心配そうにみているし
しげはなにやら不機嫌だし
何かあったのだろう
そう気づいていてもなにも聞けずにいた
あの4人の中で起こっていることは
俺たちは介入できない
濱ちゃんと照史が喧嘩した時も
俺や神ちゃんは見ていることしかできなかったし
神ちゃんの様子がおかしかった時も
俺にしかそれを支えることはできなかった
いつも一緒にいて
本当の兄弟のように育ってきた俺たちは
自分たちの中で起こったことは自らで解決してきた
それならば、今回もなにも手助けはできないんだ
ただ遠くから見守ることしかできない
実の妹となるとやはりもどかしさが生まれる
それでもじっと耐える
自分たちで道を見つけるのを待つことしか俺たちにはできないのだから
そう思いながら過ごしていたら
大イベントがやってきた
7月1日
幼馴染の誕生日だ
誕生会の途中
気付けばしげとAが見当たらなくなっていた
みんなが騒ぎ出す中
望は「散歩に行くって言ってたわ」と言って自分も家を飛び出していった
嘘つくの下手か
散歩に行ったのならそんなに慌てて飛び出す必要はないはずなのに
おそらく探しに行ったのだろう
ここにいるみんながそれに気づいてはいたが
なにも言わず、3人が帰ってくるのをただひたすら待っていた
しばらくすると、しっかりとしげとAを連れ帰ってきた望
「ちょっと散歩してきた」
そう言う彼は
額に汗を滲ませていた
なにがあったかは知らないが
きっと走り回って探したのだろう
それにしたって、散歩してきたと言う言い訳は下手くそすぎないか
それでも、彼は彼なりに必死に2人を守ろうとしているのだ
そんな無粋なことを言う奴は誰1人いなかった
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作者名：民 | 作成日時：2018年11月3日 16時
