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「なあ、なんでこうなったんやろ?
私、どこから間違ってたんやろ?
大毅のこと、好きになっちゃあかんかったかな?」

そう泣きながら訴える彼女は
私にしがみついてくる

いつか、私がのんちゃんに問いかけた質問と同じその問いに
私は答えを知っていた


「ダメじゃないよ
好きになったこと、後悔しないでよ
傷つけるほど好きだったんでしょ?
それなら胸張っていいじゃん
私たちって、そんな器用にできてないよ」

私が言い終わるのと同時に
彼女はその場に膝から崩れていった

それに合わせて、私も座り込む


「睦月のしたことは悪いことだよ
でもさ、傷つけるのと同時に自分だって傷ついたでしょ?
そうじゃなかったらそんな辛そうな顔してないよ
ねえ、睦月
素直になろうよ
ちゃんと、しげとぶつかろうよ」

「うぅ…A、私…
私、まだみんなのそばにおってええのかなぁ…?」

弱々しく呟く彼女は
とても小さく、脆く感じた

今にでも消えてしまいそうな彼女を強く抱きしめれば

それに返事をするように彼女も私を力強く抱きしめ返してきた


「ごめんね、睦月の気持ち気付けなくて
勘違いだって見ないふりしてた
そんな自分勝手で苦しめて、傷つけて
ごめんね」

「A…
私も、ごめん」

彼女が謝るべきは私じゃない
しげ、のんちゃん
そしてみんなだ

散々振り回してしまった私たちは
みんなに謝らなければいけない

そして、ちゃんと許してもらったら
ありがとう、と感謝を伝えるんだ


未だ泣き噦る彼女を支えて立ち上がり
海から出た私たちは防波堤で服を乾かしていた

冬の海は寒く
吹き抜ける風によって体温はどんどん下がっていく

それを温めるように
私たちは手を繋いで座っていた


「A!睦月!」

私たちの名を呼ぶ声が聞こえ
後ろを振り返ると

しげとのんちゃんが息を切らして走ってきた


「いつまでも学校来おへんし、校庭には教科書散らばってるし、教室にはAのリュック落ちてるし
めちゃくちゃ探したんやで!!」

膝に手をつきながらそう言うのんちゃんは
顔を上げ私たちの姿を捉えると目を見開いた


「ちょ!なんで?!
ビショビショやん!!」

そう言って自分のコートを私の肩にかけてくれた
しげも、それに次いで睦月にコートを羽織らせる


「とりあえず、あったかいとこ行こう」

そう言って手を取ったのんちゃんに付いていく

後ろを振り返ると、しげが睦月の手を引いていた

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設定タグ:ジャニーズWEST , 重岡大毅 , 小瀧望   
作品ジャンル:恋愛
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ちょぽん(プロフ) - 作品夢中になって読んでしまいました。すごくドキドキして、本当に面白かったです。 (2018年11月7日 17時) (レス) id: 15a580132a (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - はじめまして。とても素敵なお話で感動しました! (2018年11月1日 2時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - はじめまして!長編完結まで一気読みしてしまいました。島の風景がはっきり想像できるような情景描写や、主人公達の細やかな心理描写に胸が打たれました。AnotherStory楽しみにしています!! (2018年10月27日 19時) (レス) id: ed4a5c8a01 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 長くなりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読むことが出来て、公開して頂けて嬉しいです!長文失礼致しました。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 是非とも実写で見たいと思う思わせてくれる作品だと思いました。クリアに想像できる風景。こちらがお話に引きずり込まれるような描写。本当に言葉が出てこないほど素敵な作品です。言葉にするのが難しいですが、今までサイトや本を読んだ中で一番の作品です。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年10月24日 17時

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