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目を覚ますと、窓の外は夕方になっていた
睦月はまだ眠っている
体のだるさはなくなっていた
しっかりと熱は下がったようだ
一応、と睦月のおでこにも手を当てると
彼女も平熱に戻っていた
明日は学校に行けそうだ
耳を澄ますと、一階から何やら騒がしい声が聞こえてきた
学校が終わったしげとのんちゃんがやってきたのだろう
そこに混じってあっくんや濱ちゃん、ともくんの声も聞こえてきた
みんな来ているのだ
私もそこに混ざりたい
平熱に戻ったと言っても、まだ少しぼーっとする頭を抑え
睦月を起こさないようにソッと部屋を出た
居間に行くと、やはりみんなが居て
のんちゃんとしげは例のようにゲームで盛り上がっていた
「え、A?」
私に気づいたともくんがそう呼べば
みんなが私に注目する
「来ちゃった」
「来ちゃったやないやろ!
ちゃんと休まな!!」
そう心配する濱ちゃんを「少しだけ」という言葉で抑える
そうすると諦めたのか
みんなまた元の位置に戻った
私も流星の隣に座り
ゲームで騒ぎ倒す2人を眺める
「睦月ちゃんは?」
「まだ寝てる」
流星の質問にそう答えれば
「仲直りできてよかったな」と嬉しそうに微笑んだ
きっと一番私のそばで見てきたのは兄だろう
誰よりも心配し、誰よりも悩んでくれていたかもしれない
のんちゃんと違い、私たちよりも少し離れたところにいる兄は
きっともどかしさを感じていた
物音が聞こえ、そちらに目をやると
睦月が今の扉から顔を覗かせていた
「もう!何で起こしてくれないんよ!!
起きた時おらんから寂しかったんやけど!!」
そう零しなら私に抱きつく睦月を軽くあしらうと、彼女の視線は前の2人に向いた
「あの、睦月」
「ごめん!!」
のんちゃんが彼女に話しかけようとすると
そこに食い気味に頭を下げる睦月
のんちゃんはたじろいでしまっている
「ほんま、みんなもごめん…
私のせいでみんなのこと傷つけて、困らせて
ほんま謝っても謝りきれんって思ってる…
とくに、大毅
ごめんなさい」
一通り彼女が謝ると
しげは睦月の頭に手を置いた
「ほんまやで
でも、お前の一言で自信なくした俺も悪い
俺やってみんなのこと傷つけて、困らせた
小瀧とAの事振り回して
みんなのこと無視し続けて
自分がどれだけみんなに想われてるか忘れとった
やから、俺からも
ほんまに、みんなごめん!!」
しげも頭を下げる
それに習うように睦月ももう一度みんなに頭を下げた
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ちょぽん(プロフ) - 作品夢中になって読んでしまいました。すごくドキドキして、本当に面白かったです。 (2018年11月7日 17時) (レス) id: 15a580132a (このIDを非表示/違反報告)
しょあ(プロフ) - はじめまして。とても素敵なお話で感動しました! (2018年11月1日 2時) (レス) id: a32bcb43cc (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - はじめまして!長編完結まで一気読みしてしまいました。島の風景がはっきり想像できるような情景描写や、主人公達の細やかな心理描写に胸が打たれました。AnotherStory楽しみにしています!! (2018年10月27日 19時) (レス) id: ed4a5c8a01 (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 長くなりましたが、こんなにも素晴らしい作品を読むことが出来て、公開して頂けて嬉しいです!長文失礼致しました。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
yuu(プロフ) - 是非とも実写で見たいと思う思わせてくれる作品だと思いました。クリアに想像できる風景。こちらがお話に引きずり込まれるような描写。本当に言葉が出てこないほど素敵な作品です。言葉にするのが難しいですが、今までサイトや本を読んだ中で一番の作品です。 (2018年10月27日 7時) (レス) id: 1250a32edd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:民 | 作成日時:2018年10月24日 17時