内緒のキス、秘密の関係。*2 ～Kazunari.N～ (ページ23)

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手を繋ぐ権利ページ23

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「….うわぁ」

「うわぁじゃねぇよ」

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二宮さんは、買ってきて早々

ピアスを見つけて

なにも言わず、ベランダから投げ捨てた。

そしたら

小さな嫌な音がした

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「見に行く？」

「え？」

「ついでにコンビニ行こうか」

「…..え」

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その前に着替えるって言って

寝室に消えて行った。

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あの人、今なんて言った？

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「ほら、行くよ」

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ものの一分でラフな格好に着替えて

あたしの手をぐいぐい引いた。

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「怖い怖い。誰かと会ったら….」

「帽子でも被る？」

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この呑気な発想は、どこから生まれるのだろう？

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やだやだ言いながらも

髪の毛を縛ってニット帽を被ったら

案外、一瞬見ただけじゃあたしだって分からなそうで

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「似合うじゃん、それ」

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ゆるく笑うその顔に

また、負けてしまった。

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二宮さんの斜め後ろを

少しだけ遅いくらいのテンポで歩くのが

なんだか楽しくて

ワクワクが隠せない自分がバカみたいに思えた。

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「….うわぁ、笑うしかねぇ」

「….ひどい」

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４階のベランダから投げつけるように落としたピアスは

石が取れて、それも割れていて

なんだか無惨だった。

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それを端の方に追いやって

街灯が照らす道を、2人で歩いた。

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「A」

「なに」

「ん」

「…..」

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差し出された手に

戸惑ったりしながら。

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「俺の彼女だから手繋いでいい権利があるよ」

「…..かのじょ」

「俺はお前の彼氏だからて繋ぐ権利があります」

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繋がれた手に温もりが宿る

その温度が、心の底に染みて

戸惑っている気持ちをグラグラ溶かした。

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