内緒のキス、秘密の関係。*2 ～Kazunari.N～ (ページ12)

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◇不安ページ12

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噂はあっと言う間に広まった。

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たけど

夜、きまぐれに会いに来るAは

全く変わった素振りは見せないけど

もしかしたら見抜けないだけかもしれないなんて

気を使って、やめての繰り返し。

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「もう一人で寝られなくなってきたの」

「デカイくまがいるじゃん」

「あいつはぬいぐるみだもん」

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そんな訳のわからない意見を突き通して

週末だけは泊まってったりもしたけど

お互い、30センチ以上は近づかなかった。

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だから本当に

彼女は分からない。

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「ねぇ」

「ん？」

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明日の授業で使う問題をまとめながら

ソファーに寝転んで

スマホに依存してる彼女に話しかける

もう、そうするしかない。

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「噂、」

「うん」

「知ってる？」

「うん」

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こっちは冷静の欠片もないのに

彼女は妙に冷静で

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「あれってマジなの？」

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どうすればいいのか、分からなくなる。

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「マジらしい」

「お前の授業担当あの先生だっけ？」

「違うよ。あの人は1の講座」

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じゃあなんで、2の講座の梨田を？

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「接点あるの？」

「ないから困ってる。

嘘にしか思えないのに」

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依存してたスマホを手放して

カーテンを開けた

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「あたし、あの先生のせいで

二宮さんとの関係バレたらどうしようって

そればっかり考えちゃう。」

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夜空の星を探す横顔が

少しも表情を変えずに紡ぐ

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「大丈夫だよね？」

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不安げに瞳が揺れた

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「うん。それより中川先生気をつけろよ」

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不安を取り払うように上がった頬か

うまく上がってない気がしたのは

気のせいじゃなかった。

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