内緒のキス、秘密の関係。～Kazunari.N～ (ページ12)

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糸ページ12

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黒い、大きな、高い車に乗せられた。

カーステレオから流れる歌は知らない

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「…ヘビースモーカーなんですね」

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備え付けの灰皿がいっぱいになってるの

気になって仕方ない

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「お前ほどじゃないよ」

「あたしはそんなに」

「お前さ」

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赤に変わった信号

この時間の、この人のいなさなら

ずっと黄色でもいいのに

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「意外とと喋るんだな」

「….」

「櫻井先生が無口で困るって言ってたのに」

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信号が変わる

車が動きだしたら

初めて、いたたまれない気持ちになった。

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「あんたが話しかけるから」

「翔ちゃんだって話しかけてるでしょ(笑)」

「あの人は話しかけるくせに

自分の中で全て解決するもん」

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ふと、あいつが喋らなくなって

あー、そうだなーって声を出す。

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その間が、苦手。

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そんな事を思ってたら

それはそれは華麗に車を駐車して

降りろって、指示された。

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…..ここで逃げれば良かった

逃げられれば、よかった。

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なのに、気怠そうに歩くあいつの後ろを

糸で繋がれてるみたいに、歩いた。

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