内緒のキス、秘密の関係。～Kazunari.N～ (ページ2)

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◇無表情ページ2

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困った時は、助け合おう！

とか、そんなことを教わった昔に戻って言ってやりたい

助けて、困ることだってあるんだ。

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「…俺、本当に嫌なんだって」

「しかたねーじゃん。お前しかいなかったんだよ」

「翔ちゃんが紹介しなきゃよかったじゃん」

「しかたねーじゃん、俺も立場がね？」

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夜の学校って、オバケがでるとか言うけど

実際にいるのは、疲れきった顔した大人

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「塾講師も高校教師もそんな変わらねーだろ」

「やる気の問題。やる気ないヤツに勉強なんて….」

「グズグズ言うな。これ名簿と集合写真」

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大学を卒業するとき

せっかく取った中高教員免許を生かさずに

特に何も考えずに大手の塾に講師として就職した。

もうすぐで、若き塾長の座だったのに

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「高齢出産になるから、産休早く取る、か」

「そのまま辞めるかもしれないからなー」

「俺、臨時でしょ？すぐ戻れるでしょ？」

「….さぁ」

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こんな非常事態で、おろおろした上の人間を

まだ権力があんまりない櫻井先生が

すっと入って、スマートに俺を紹介したらしい。

クソ、俺のお陰で昇格か。

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渡され名簿と、名前付きの集合写真に目を落とす。

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「…..。」

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桜の大きな木の下で撮られた写真

弾ける笑顔や、ピースが溢れる中

一人だけ、無表情で、逆に目立った子が

やけに、目に入った。

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