ため息に好きを溶かして【横藤】 ページ1
太輔:花魁【桃萌-ともえ-】
名前のみ
健永:花魁【千桜-ちお-】
片手に先程作った和菓子を持ってガラス工房の前に立つ。重い扉を開け中に入ると汗だくになりながら作品作りしている横尾の姿があった。
「横尾様、差し入れを持ってきました」
「わざわざ持ってきてくれたんだね。ありがとう」
「いえ。私にはこういうことしか出来ませんから」
「何言ってるの?俺の為に苦手な料理出来る様になったんじゃん」
「それは横尾様が丁寧に教えてくださったおかげです」
「桃萌が頑張ったからだよ。そういえば千桜ちゃんだっけ?桃萌の禿やってた子。鈴蘭屋出たみたいだよ」
「そうなんですね。身請けされたんですね。いつされたか知ってますか?」
「つい最近みたいだよ。数日前、頼まれたオブジェを鈴蘭屋に行った時、宏光が言ってた。"千桜が出て行ったよ"て」
「お相手はあの方かしら。確か、二階堂て言ってた方かな?」
「そう。その方だよ。しかも千桜ちゃん妊娠してるって」
「そうなんですね・・・。あんな小さかった千桜が太夫になって更にママになって成長て早いんだなて思いました」
桃萌は身請け後、何度も横尾と子作りに励んだが桃萌の身体は妊娠出来にくく中々、授かる事が出来なかった。それでも諦めず励んだが未だに出来ない。もう諦めようとしている最中。道ですれ違う親子連れを見てしまうと辛くなり涙が溢れてしまう。それを理解している横尾はなるべくその光景を視界に入れないよう試行錯誤しながら桃萌を守っていた。しかし桃萌が可愛がっていた千桜も話をしたく振ってみたがやはり泣きそうな表情。横尾は一旦作業を止め桃萌を抱きしめた。
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作者名:みん | 作成日時:2024年2月1日 16時