涙で光るガラス (ページ24)

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松倉「もう少し寝る？」

海斗くんも寝起きだからか、いつもより少し目を細めているせいで色気を感じる。

『寝ないけど、このままがいい…かも？』

松倉「ふふっ、お互いお仕事あるから5分だけね」

海斗くんは腰に回していた手で自分のスマホを持って、5分後にアラームをセットしてくれた。

5分、短いようで長い時間。

また腰に手が回ってきて、ずっと至近距離で目が合っているのが恥ずかしくて目を瞑る。

リズム良く腰をトントンしてくれていた手が止まると、その手は頭に回されてグッと顔を引き寄せられる。

唇にチュッと触れるだけのキス。

驚いて目を開けたら"なに？"なんてとぼけて海斗くんは優しく笑ってる。

『…海斗くんって、外国人なの？』

松倉「え？」

『キスは挨拶、みたいな』

松倉「Aちゃんになら挨拶でもいいかもね」

それって、私なら何をしてもいいってこと？

それとも何かの間違いで私だけ特別扱いしてくれてるの？

どっちにしたって、ドキドキで死んじゃいそう。

『ﾝｯ…』

またくっついては離れる唇。

何度か繰り返されていくうちにどんどん深くなってくる。

いつの間にか腕枕をしてくれていたはずの海斗くんは私の上にいて、両手をベッドに押さえつけられる。

海斗くんはキスをしながら右手を離して服の裾を掴んできて

危ないかもと思っていても、酸欠のせいか頭がボーっとして何も出来なくて

…このまま流されちゃえばいいかな。

そうしたら海斗くん、私ともっと一緒にいてくれるかな。

もう私、海斗くんと一緒に居られるならどんな形でもいいのかもしれない。

服の中に手が入って来た瞬間、部屋に鳴り響くアラーム音。

唇が離れて、服の中にあった手はスマホを持ってアラームを止めた。

見下ろしてくる海斗くんとパチッと目が合う。

『海斗くん』

松倉「…そんな顔すんな」

『また酷い顔してた？』

松倉「止まんなくなりそうな顔」

『海斗くんのバカ』

松倉「はぁー、起きるか」

もう一度、触れるだけのキスを落として起き上がった海斗くんは、"んー"と言いながら伸びをする。

チラッと見えた腹筋は、ベビーフェイスからは想像がつかないくらい引き締まっていて、なんだか見ちゃいけないものを見た気分。

松倉「ん？」

『あ、ううん、なんでもない』

ジーッと見つめていたのがバレた。