きゅうじゅう ページ24
サラside
敬「おはよー」
目を覚ますと、ケイジさんがいた。
紗「あ…」
敬「…少しは休めたみたいだね。」
紗「…はい、ありがとうございます。
あれ？サクラは？」
敬「いるよー」
ケイジさんの後ろに、サクラが寝ていた。
紗「…本当だ。サクラー？」
『…んー…』
サクラを揺すると、サクラは生返事を返した。
凍えた子猫のように体を丸めて、縮まっていた。
紗「サクラー？いい加減に起きないとダメだぞー？」
私はサクラの頭を撫でた。
いつも後ろで縛られてる髪が、今は下ろされていた。
…サラサラだな。
『わかった…起きるから…撫でないでってば…楓ー？』
サクラは私の腕を掴んで起き上がった。
『…あれ？サラちゃん？楓じゃなかった。』
まだ半分寝ている顔でサクラは言った。
『…眠い…久しぶりに爆睡した…
…おあよーございます…』
サクラは眠そう目を擦った。
敬「おはよう。顔色良くなったね。ずいぶん寝てなかったの？」
『…ここにくる前に寝ました。』
敬「それは気絶でしょ？気絶は寝るとは言わないよ…まあ寝ないよりかはいいけど」
気絶したのか！？
それはいけないな…
『…別に、ショートスリーパーなだけですよ』
サクラは目を逸らした。
サクラについてわかってきた。
サクラは何かやましいことがあると目を逸らす。
紗「本当にそれだけか？」
私はサクラの前に立った。
強制的に目線を合わさせる。
紗「それだけじゃないだろう？寝てない理由は。」
サクラは驚いた顔をして、少し考えて、諦めた顔になった。
『…寝たら、出てくる、から。』
紗「出てくる？」
『父さんが…出てくるんだ…血塗れで…恨めしそうな顔で…何か言ってるんだ…』
サクラは、自分の両手をぎゅっと握りしめた。
『だから、寝るのが、怖いんだ。』
そうだ…サクラは…“親殺し”って…
紗「…そうか。さっきは見なかった？」
サクラは頷いた。
紗「それはよかった。じゃあ、また一緒に寝ような。」
私はサクラの頭を撫でた。
同じ位の年代のはずなのに、いつも大人びた雰囲気を醸し出している。
かといって、ふとした瞬間に触れたら壊れてしまいそうに、幼く弱く感じる。
…不思議な子だ。
だけど、この子を守りたい。
私はそう感じた。
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YUKI - 更新ありがとうございます。この先の物語が気になってしまいます！無理しない程度に頑張って下さい。 (2021年7月10日 21時) (
レス) id: e305977ea6 (このIDを非表示/違反報告)
tukina0123(プロフ) - 面白かったです!! (2021年7月9日 7時) (レス) id: 9d282b76d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁刹那 | 作成日時：2021年7月8日 19時
