はちじゅうよん ページ18
扉は簡単に開いた。中に入ると、サラちゃんが血を流して座り込んでいた。
『…血？怪我？大丈夫ですかー？』
僕が前に立って顔の前で手を振ってみても、サラちゃんはブツブツと呟くだけで答えなかった。
紗「お前は…ジョーじゃ…黙れ…」
…ジョーくん？
ジョーくんなんてどこにもない。
サラちゃんも…幻覚を…見てる…？
敬「…サラちゃーん？おーい。
…サラちゃん！おい！サラ！しっかりしろ！サラ！！
…俺の声がわかるか？」
紗「あ…ケイジ…さん」
敬「…そうだ。おまわりさんだよ」
『僕もいますよー』
紗「サクラ…も…」
サラちゃんは周りをキョロキョロと見渡した。
『…怪我、見せてください。
…酷い顔色ですね…何かありましたか？』
紗「…何も…ありません」
敬「隠さなくてもいい…サラちゃんは幻想を見たんだ…そうだろ？」
紗「なんで…それを…」
敬「…おまわりさんはなんでもわかるよ」
『…大きな怪我はなさそうですね。ほら、座ってください。』
僕はサラちゃんをベッドに押し込んだ。
…包帯どこにあるんだ？
紗「ここは…」
敬「ここは3階さ。1人1人個室を用意されてね。休息を取れってさ。」
紗「そうだったんですか…早く探索に戻らないと…」
おいおいおいおい…！
『良い訳ないでしょう！怪我人は寝ててください！』
ブーメラン
敬「君もねー。」
それは言わない約束でしょー？
紗「サクラ…怪我してるのか？」
僕は今、包帯の上からパーカーを羽織っている状態だ。
見かけ場では、怪我もわかりにくい。
『大丈夫です。』
紗「大丈夫じゃないだろう？怪我してるなら休んでないと…」
『う…』
サラちゃんに叱られた。
『…わかった。じゃあ、僕も寝ますから、サラちゃんも寝ましょう？ね？』
僕は座って視線が下がったサラちゃんの目線に合わせるために、少し屈んだ。
紗「寝たく…ない…」
少し前に聞いたな、というか言ったな、そのセリフ。
敬「…何…」
紗「今は動きたいんです。」
敬「ダメだ。君を危険な目には合わせられない。」
紗「どいてください。
…一人で横になるより…マシです…」
ケイジさんがため息をついた。
敬「…ふー…わかった。肩なら貸すよ。もう少しだけ休もう。」
紗「…わかりました。」
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YUKI - 更新ありがとうございます。この先の物語が気になってしまいます！無理しない程度に頑張って下さい。 (2021年7月10日 21時) (
レス) id: e305977ea6 (このIDを非表示/違反報告)
tukina0123(プロフ) - 面白かったです!! (2021年7月9日 7時) (レス) id: 9d282b76d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁刹那 | 作成日時：2021年7月8日 19時
