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#60 ページ16

『消えた…』

私が呟くとともに、後ろからドサッという音がした。

振り向くと、お兄ちゃんが倒れていた。

『お兄ちゃん!』

お兄ちゃんに駆け寄って横に座った。

傷口が開いていた。

それがなくても、致命傷だった。

空が降りてきた。

2人でお兄ちゃんを挟んで座る。

空「大丈夫!助けるから。」

空が言った。

とても分かりやすい噓だった。

空「異能かけるよ。」

雹「いや、いい。どうせ意味ないから」

それはお兄ちゃんにもわかっていた。

雹「それよりも。

空、A。組織を抜けろ。もう人を殺すのはやめろ。」

お兄ちゃんは唐突に言った。

空「でも…いろんなところで恨み買ってるし。

人も殺してるのに、今更…」

空の言葉に、お兄ちゃんは自傷的に笑った。

雹「ごめんな。入ろうとか言って。

あの時はそれがいいと思ったけど

でも、二人は優しいから。

幸せになる権利がある。

本当はこんなところに居ちゃいけないんだ。

普通の女の子として、普通の人生を送るべきなんだ。

異能特務課っていう組織がある。

そこに助けを求めたら助けてもらえるよ。

2人とも、胸を張って生きるんだぞ。」

空と一瞬顔を合わせて、二人同時に頷いた。

空「わかった」『うん』

お兄ちゃんの顔がほころぶ。

雹「偉いぞ。それでこそ、俺の自慢の妹だ。」

お兄ちゃんは手を伸ばして、その手は、何も触れないまま、

落ちた。

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暁刹那(プロフ) - まなみさん» あはは!わかりました! (2021年3月2日 11時) (レス) id: 7fd456a931 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - 暁刹那さん» でも、体調には気をつけてくださいね(⌒-⌒; ) (2021年3月2日 0時) (レス) id: f60fa43b56 (このIDを非表示/違反報告)
暁刹那(プロフ) - まなみさん» わあ!嬉しい!ありがとうございます!頑張ります! (2021年3月1日 16時) (レス) id: 7fd456a931 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - 読んでてすごい楽しかったです!これからも頑張ってください! (2021年2月28日 20時) (レス) id: f60fa43b56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁刹那 | 作成日時:2021年2月26日 18時

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