いつ、どこで、だれが、何をした。 (ページ44)

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空side
国木田さんが小型高速艇に飛び乗ったので、隣に乗り込む。

探偵社って案外色んなもの持ってるよねえ…

空「で、何処に向かうんですか？」

その質問に、信じられないというような顔をする国木田さん。

国「お前らはいらないところだけ似てるな…」

心外ですが。

搔い摘んだ説明がなされ、やっと意味を理解する。

と、同時に大型船に追いついた。

国「敦いいいいいいい！」

空「敦くーん」

敦「国木田さん…！空さんも」

敦君が驚いたような顔をした。

あの黒い外套の子がAの言ってた黒いワンワンか。

えっと…確か芥川君。

と、大型船が爆発した。

芥「真逆武器庫の爆薬を…！自決する積りか⁉」

国「敦！沈むぞ来い！」

敦君がこっちに走ってきた

国「敦！此処だ！爆発の所為でこれ以上近づけん！跳べ！」

敦君の顔に迷いが見える

国「何してる阿呆が！船が沈むぞ！」

まだ動かない敦君。

国「この怒阿呆！どれだけ社に迷惑をかける気だ！社員全員只働きだぞ！早く乗れ！」

敦「彼女は…」

この状況で他人の心配をする敦君。

空「諦めなよ。私たちは神でも超人(ヒーロー)でもない。

何でも自分の思い通りになるとは限らないし、

苦労して積み上げたものも一瞬で否定される。

善良な人間がいつも助かるとは限らないんだ。

そういう街で、そういう世界だ。」

敦君の顔が泣きそうに歪む。

敦「彼女は、僕と食べたクレープを『おいしかった』と

無価値な人間には呼吸する権利もないと云われて、彼女は『そうかもしれない』と

僕は…違うと思う！だって太宰さんは、Aさんや空さんは、

探偵社は僕を見捨てなかった！」

敦君が走り去っていった。