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#45 ページ47

道は、真っ暗で迷路の様だった。

猫「ちょ、先輩!どこ行くんですか?」

『え?』

どうやら俺は壁に向かって進んでいるようだった。

『猫山君周り見えるの?』

猫「見えないんですか?」

困った。

どうなってるんだ

今回はティシャに任せてみるか?

『全く。』

猫「えっ、じゃあ…」

ティシャが手を掴んできた。

『は?』

思わず手を振り払う。

猫「あ、すいません!嫌でした⁉」

見えないけど絶対わたわたしてるな。

『嫌、別に嫌なわけじゃ…』

こっちもわたわたする。

改めて手を繋いで歩き出す。

へんなの。

目が暗闇に慣れてきて、輪郭位は見えるようになった時、ティシャが前に手を伸ばした。

ガチャ。

どうやら前に扉があったらしい。

扉が開くと、いきなり目の前が明るくなった。

眩しさに目を細める。

明暗が忙しないな。

その部屋は、居間の様だった。

リビングじゃなくて、昔風の円卓があるような部屋。

そこに、ビール瓶がいっぱい転がっていた。

今時ビール瓶ってどこで売ってるんだろう。

どうでもいいけど。

敷かれていた畳の一つに、血がついていた。

『血…?』

猫「あれ?先輩見えるようになったんですか。」

『あ、うん。助かった。』

猫「いえ、見えるようになって良かったです!」

ティシャが笑った。

その無垢な笑みに、思わず目をそらす。

『此処。血がついてる。』

無理やりの話題転換に、ティシャはきょとんとしたが、すぐに何事もなかったように話に続いた。

猫「本当ですね。どうしたんでしょう…」

よく見ると、ビール瓶の中には血がついているものがあった。

おいおい。

こんなもので殴ったら下手したら死ぬぞ。

「きゃああああ!」

いきなり奥から悲鳴が聞こえた。

あった扉を開くと、そこには今さっきと全く同じ部屋があった。

違うところといえば、人がいるところだ。

酔ったビール瓶を持った男の人が立っていて、その下には女性が倒れていた。

部屋の奥には、女の子が二人抱き合って震えていた。

黒髪と、白髪。

猫「な、何してるんですか!」

ティシャの声に男の人が此方を見た

『え…?』

思わず声が出た。

それは、昨日家に来た男だった。

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作者名:暁刹那 | 作成日時:2020年10月17日 12時

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