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父親。
それを言われて納得した。
開いていた鍵。
どこか聞いたことがある声。
なぜかなれなれしく話してくる態度。
でも、なぜ今なんだ?
「やっと接触禁止が解かれてね。いやあ、反省した振りも楽じゃない。」
振り。
「それにしても、俺の事を忘れてしまったのか?
あんなに愛情込めて育ててやったのに」
やったのに。
『ああ、思い出しました。母親の殺人及び私たち子どもへのぎゃくたいの容疑で豚小屋へ送り込まれていた私の産みの親ですね。』
薄ら笑いを浮かべて言うと、腹にパンチが飛んできた。
すんでの所でよける。
骸盗してればこれ位出来るようになる。
すると、相手も同じ薄ら笑いを浮かべてくる。
「そんなこと言うなよ。俺はお前に会いたくてたまらかったんだぜ?」
『それは良かったです。私はあなたが嫌いですが。何をしに来たのですか?
連れ戻しに来たというなら精いっぱいの抵抗はさせていただきますね。』
俺は、バッグの中から鈍器を取り出した。
「おいおい、女子中学生が持ち歩く物じゃねーぞ」
『この頃物騒ですからねえ。例えばあなたとか。』
そして、俺はにっこり笑った。
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作者名:暁刹那 | 作成日時:2020年10月17日 12時