dear chocolate２ (ページ11)

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本当に会いたかった。

気がつくとステージの上だと言うのに思いきり全力で抱きしめていた。

甘いAの香り…
俺の中の何かを狂わせるAの香り

抱きしめながらAの耳元で

「本当に会いたかった…」

どのくらい抱きしめていただろうか…

ペンたちの絶叫によりハッと現実に戻った。

ここはステージだ。

手に持っている花束を Aに差し出す

震えた彼女の手を取りステージのまん中においてある椅子にAを座らす。

彼女の前に膝を着き
彼女の手を取り
彼女の目を見つめる…

歌おうとした時にAが

「ヨンベ…ご免なさい。私･･･ヨンベがいないと…無理…」

その言葉に歌えなくなってしまい…マイクを置いた。
いつもとは違う特別な空気に会場は、ざわつきが止まらない。

「彼とは?…彼とうまくいってないの？」

「ヨンベ？…私…彼なんか居ないよ？私がいたらヨンベが困るでしょ？…」
「キラキラしたヨンベと私は釣り合わない…」
「好きになればなるほど、ヨンベが遠くて！遠くて！会いたくても会いたいなんて軽く言えないっ。」

泣きながらAは言う

「私がいたらファンが困る。ヨンベは、みんなのもの…。正直…つらいよ…彼氏が芸能人だってさ…」

マイクをステージに置いたから音声は拾っていない。
バンドもただならぬ空気に何かを察してくれて、大きめのBGMは、流してくれていた。

「ね？僕の気持ちは？僕は、誰が好きなの？誰を愛しているの？僕の気持ちを考えてよ。」

そう言って Aの小さな手にほほを重ねた…

「ヨンベ…私は、ヨンベが大好きだよ。本当に大好き。愛してるのはヨンベだけ。」

「A…」

大好き･･･大切に思う彼女が、僕の事を大好きだって言ってくれたのが嬉しくて嬉しくて…

気がつくとAを抱きしめ
抱えて抱き上げて

「皆さんにお知らせがあります。聞いて下さい。」
「僕の彼女!!本当の彼女。プライベートの彼女。皆さんに紹介します。Aです！」

…って、ファンに紹介をしていた。

後先考えずに…