第一章 2 ページ3
「ちょっと、お嬢さん、いいかな？」
いいか？というのは時間だろう。
別にこの身でやることなんか無いので、時間なんてたくさんあるのだが、ここで１つ問題が発生した。
「ひっ…！」
この悲鳴は自分のものだ。
どこで覚えたのか、きれいにバックステップで私の肩を叩いた男の人から距離を取る。
「？」
男の人が首をかしげる。
何でこんなに私が冷静なのに、悲鳴をあげたのかと言うと、触られた瞬間、ぞわっと、こう、いやーな感じが全身を襲ったからである
「あ、すいません。」
意図的ではないといえ、こんな反応をされて嬉しくは無いだろう。とりあえず、謝っておく。
「こちらこそ、急に声をかけてすまない。
黒い髪に、黒い装束、武器は持ってないみたいだけど、どうしたのかな？」
多分きっとこの人は勘違いをしている。そう思った。
武器は持ってないみたいだけどどうしたのかなって、持ってたら切り殺されてたんじゃないか？
彼の腰の剣に目がいく。
赤い髪に、青い目、日本人とはかけ離れた人が、日本人を不思議に思うのも仕方ない。
「日本から来たんですけど、多分人違いじゃないですかね？」
「人違いならすまないことをした。
それにしても、にほん…？」
人違いだと言うことはあっさりと認められたみたいだった。
「平和主義で、皆黒髪で、東の方の…知りません？」
「東と言えばここだから、にほん…というのは知らないな。」
「ほんと、ですか…。」
少し期待していた。日本に戻れることを。
ここが、地球だということを。
しかし、それをあっさりと砕かれた。
「僕の名前は、ラインハルト·ヴァン·アストレア 君は？」
明らかに日本人とは、かけ離れた名前を告げられ、戸惑う。フルネームで答えたところで理解されないだろう。
「Aです。」
「A か、良い名前だね。」
誉められたので、これで良いらしい。
とりあえず、名前を伝えるということはできた。
次なる課題はこれから何をして生きていくかだ。
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しぇるふぃあ。 - 初めまして！ラインハルトさんの爽やかさ眩しさの描かれ方がすごく好きです。強めの主人公がこれからどんな道をあゆむか楽しみになってきました…！更新楽しみにしていますがご無理はなさらず！ (2017年5月13日 14時) (
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作者名：a.ze | 作成日時：2017年4月6日 12時
