SnowDropと空の下 2 (ページ10)

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時計と携帯をかわりばんこに見つめる。

後、5分で……

あっ！
今かけて～、着信残しとけばいいんじゃん？
いやいや、それでかかってこなかったらどうすんの私。

わぁーーーー！

ってしてたら手が滑って携帯を落としそうになった。

慌ててキャッチして画面を見てまた落としそうになる。

発信してるよ
臣さんに……

どうしよ！？切ろうかなって迷ってたら、画面が切り替わって、通話中になった。
マジか……

『……もしもし？A？』

お、お、臣さんだ

『あれ？Aだよね？もしもし？』

『お、お疲れ様です。臣さん』

『ん。いつ頃？』

『え？あっ！まだはっきり決まってなくて……
でも、年末までには帰れそうです』

そっかって小さく呟いた臣さんの低くて甘い声。

『あ、あのっ！』

『ん？』

『ごめんなさい。あんな事言っちゃって……』

『うん。俺も……ごめん』

それから沈黙。
だって、久しぶりだから緊張しちゃって、何を話していいか……

そんな沈黙を破ってくれたのは臣さんだった。

『A……』

『は、はい』

『無理してないか？お前ちっこいから……』

『だ、大丈夫ですっ！』

心配してくれている事が嬉しくて、思わず大きな声で返事をしていた。

『ふふ……(笑)そっか。じゃあ俺もう行かなきゃだから……』

『は、はい！あっ！す、すみません。お仕事中なのに……』

『ん。いいよ。連絡出来なくてごめんな。
気を付けて帰っておいで』

『は、はい！』

ほんの数分の電話。
なのに、私の周りの世界が急にキラキラして見えたんだ。