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当たり前だけど誰も居ない控え室。
臣さんは、椅子に座ると私の腕を掴んで、さっきのように膝の上に座らせた。
『さっきみたいなこと、よくあんの?』
『うーん。直接言われたのは初めてかな?
やっぱり職場では今まで通りの方がよくない?』
『それも今さらじゃね?』
『そうだけど……』
臣さんは、私のほっぺたをむにむに触りながらちょっと笑ってる。
『なんか言いたいことあんじゃねぇーの?』
『……………………』
『約束の2番目、守ってねぇな(笑)』
『…広臣がさとちゃんと仲良くするのイヤ。
広臣がさとちゃんの事をスタッフとしか見てないのは分かってるけど、さとちゃんは違うもん』
臣さんは、ハハッと笑って私をギューッと抱きしめた。
『思ったよりヤベぇな』
『なにが?』
ちょっとムッとしてる私を抱きしめたまま
『ヤキモチ』
と、耳をペロッと舐めて囁いた。
『ひゃっ!』
びっくりして身体を離そうとしたら、そのまま唇を塞がれた。
長いキスに酔いしれている私に臣さんは甘く甘く囁く。
『心配すんな。俺が守ってやる』
もう、もう。
心臓が壊れそうなぐらいドキドキして、久しぶりにカチカチに固まってしまった。
それからもう一度、優しくて長いキスをして会場に戻ると、さとちゃん達がチラチラ見てきて、臣さんがマサキさんに何か言ってて……
私はマサキさんに連行された。
臣さんっ!
守って!
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年7月21日 23時