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『そうなんです!これが成功したら、リョウさんが合格だって言ってました!』





『そっかー。頑張れよ!こっちで待ってるからな〜』




『はいっ!』




『合格もらえたらすぐ教えろよ(笑)』





相変わらず優しい隆二さんとの電話を終えて、私は期待と不安で胸を震わせた。




絶対成功させる!
胸を張って日本に帰るために!



.




.




.




.




.



私を指名してくれたのは、ハリウッドではまだ駆け出しの綺麗な女優さん。



どうして私を指名してくれたのか



そう聞いてみると、お人形のような彼女はこう答えてくれた。




『リョウのスタジオに遊びに行った時、あなたがとても真剣にメイクをしていて、その眼差しとメイクされた同僚の方の良さを引き出す技術に感心したから…』




そう。
私がこっちに来てメイクしたのは同僚だけ。
いわば練習のみ

だから不思議だったんだ。

私を指名してくれた理由が。



『駆け出し同士、意見交換もしやすいかなって思ったの』



ペロッと舌を出す仕草にはまだ幼さが残っているが、私より随分年下なのにこの色気



勝負したわけじゃないけど完敗。




『やっぱり…私の思った通りだ』




『え?』




『私、派手なメイクが好きじゃないの。
でも、ここはそういうが好まれるから、私なんかが意見を言える立場上でもないし…
Aにお願いしてた正解だった!』




『ありがとうございます』




その日は何かの取材らしくて、手直しがあるかもしれないってことで取材が終わるまで待機。



汗を抑えたり、チークやリップを足したり



取材を終えた彼女が握手をしてくれた。



彼女だけじゃなく、彼女のスタッフからも取材相手からも好評で、私ははっきりとした手応えを感じていた。




借りているアパートには戻ってベッドにダイブする。



緊張した……
途中で吐きそうになったし……



あとはリョウさんの判定を待つだけ

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年7月21日 23時

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