032 ページ32
臣さんが海外に行って、10日程経った。
撮影が忙しいのか、あまり連絡は来ない。
メッセージを送っても、返事もなかなか返ってこない。
あんなに毎日一緒にいたから寂しいな。
でも、慣れなきゃいけないんだ。
私は今、空港にいる。
偶然出会う事もないんだよね……
ふぅーと小さくため息をついた。
『A忘れ物ない?あんたちっちゃいから
服とか下着とか、あっちのサイズ合わないと思うし……』
『大丈夫です!あるだけ持って来ました(笑)』
マサキさんがL.A.まで一緒に行ってくださる。
一人じゃ心配だからって言ってるけど、絶対恋人に会うためが85%を占めてると思ってんの。
『皆、イイ人ばかりだからね。Aもイイ子だし』
余程心配なのか、恋人に会えるからテンション上がっちゃってんのか分かんないけど、マサキさんはさっきから同じ事ばっかり言ってる。
『はい。頑張ります』
搭乗案内のアナウンスがかかって、マサキさんが立ち上がった。
臣さん、いってきます
こっそりメッセージを送って携帯をしまった。
長い長い飛行時間。
私の不安を取り除こうと、いろいろ話しかけてくれていたマサキさんは、今 気持ち良さそうにおやすみ中。
私は期待と不安が入り交じった、変な高揚感で眠れずにいた。
704人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花梨 | 作成日時:2018年3月9日 23時