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マサキさんに連れられて、HIIROさんのところへ……
もう緊張しちゃって吐きそう。
『Aちゃん、ほんとにいいの?』
はい?
『は、はい!是非!』
そう?まぁ本人達がいいなら……ってHIIROさんが仰って
達?
達ってなんだ?
その場で先方に連絡を入れて下さって、いろいろ準備もあるだろうからって、来月末に出発することが決まった。
『薫と絵美にはアタシから言っとくわ』
『よ、よろしくお願いします』
ガバッと頭を下げた私に
『Aちゃん、しっかり学んできてよ?
帰って来るの待ってるからね』
HIROさんは優しく声をかけて下さった。
こんな下っ端にまで気を遣って下さって……
ありがたいな。
それからマサキに連れられて、気休めだけどって本屋さんで英会話の本を買っていただいて
『じゃあね!お疲れ様。今日は帰っていいわよ?』
『え?あ……お、お疲れ様でした』
今日は朝からいろんな事があったなってため息つきながらアパートに帰って
あー晩ごはん買ってくるの忘れたなぁとか
明日は普通に仕事なんだよなぁとか
この仕事に就いて、初めて仕事に行きたくないって思ったかも
臣さんから特に連絡もないし……
終わりは、こんな風にフェイドアウトしていくのかな?
大人だなって思ってた。
まぁ、もともと釣り合ってなかったんだし
もしかしたら、長い長い、都合のいい夢を見てただけかもしれないし……
スケジュールを確認してから、テレビの前で膝を抱えて丸くなった。
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年3月9日 23時