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タクシーに乗ってる間、さっきのスタイルのいい、キレイな女性が浮かんでは消える。
見たことないけど、モデルさんかなぁ?
結局、ああいうお人形さんのような容姿の女性がタイプなんだ。
確か、女性としてキレイでいようとしている人が好き みたいな事を言ってたって読んだことあるような気がする。
うる覚えだけど……
スタジオに着いて、鏡に映る自分。
モデルさんとは程遠い、ちんちくりんの背。
精一杯頑張って巻いた髪。
量が多いから束ねないと、頭が歩いてるみたいになる。
幼児体型を隠すためのふんわりした服。
『はぁーーーーー』
誰も居ないと思って、思いっきりため息をついた。
『朝からどうしたの?(笑)』
『絵美さんっ!』
『元気印みたいなAがため息なんて……
なんかあった?』
『えっとですね……』
自分の体験談として話すには惨めすぎて、友達から相談された事にして、さっき見た状況を話した。
『お友達が、朝 彼氏の家に行ったら、知らない女性が居て、しかもシャワーの後っぽくて、下着みたいな格好で?彼氏を呼び捨てにしてたって……そりゃ完全に黒でしょ』
やっぱりそうですかね(泣)
『…………………………』
『A、今日はこっち居なくていいわ!
隣のスタジオでジェネが撮ってて、もう終わるから……一緒に事務所行ってな?』
『え?でも……』
『お灸すえてやるわ(笑)』
絵美さんは、相談内容が私の事だって分かってたみたいで、頭を撫でながら優しく笑ってた。
ちょうど廊下が騒がしくなって、ジェネさん達が通りかかった。
『あー!メンディー、Aちゃん事務所連れてってあげてよ。それから、三代目に見つからないように隠してね。数原!その無駄にムキムキの筋肉が役に立つ時がきたな(笑)』
『は?なんで?』
メンディーさんが絵美さんをびっくりして見てて、その顔が……(笑)
『Aちゃんを探せ!って遊びしてんの!
絶対見つかるなよ?』
無理矢理な話だけど、ジェネさん達はなんだか楽しそうに、この作戦に乗ってきた。
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年3月9日 23時