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『じゃ、じゃあ何食べますか?』





『んー』





臣さんはムスッとしたまま真っ直ぐ前を向いている。





『とりあえず乗って』





停められたタクシーに、有無を言わさず押し込まれ、行く先も分からないまま





臣さんがタクシーの運転手さんにお店の名前らしきものを告げて、滑らかに滑り出したタクシー。
お店の名前だけで行けんの?




どうしよう。
場違いなお店だったら……

デニムにパーカー、ダウンを羽織った
お洒落とはかけ離れた格好してるのに……




着いた先には、お高そうなお店




『お、臣さん、私、こんなとこ……』




『いいから……A、寿司好きなんだろ?』




『え?なんで?知ってるんですか?』





実は、肉って言われた時、肉かー(泣)って思ったんだよね。
どっちかっていうと和食派なんで
普段もおばあちゃんみたいなご飯食べてます。





『さっき隆二に聞いた』





隆二さんっ!
ナイスですっ!
今日はいい仕事ばっかしてるよ?


寝る前に、隆二さんに感謝の祈りを捧げてから寝よう!





『いや、実際食べさせるの俺だからね?
俺に感謝の祈りを捧げて(笑)』





ゲッ!
ダダ洩れだった。




ククッと笑った臣さんの後についてお店に入って固まった。





なんだこれ



カウンターしかないじゃん。




『回ってないんですね』




『うん。ここは回らないね(笑)』

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作者名:花梨 | 作成日時:2018年3月9日 23時

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