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ほんとはね、もっともっと一緒にいたいんです。
恋人らしいこと したいんです。
あっ!
やらしい意味じゃないですよ?
ご飯食べに行ったりってことです。
でもね、臣さん忙しいじゃないですか?
お外もあんまり出歩けないじゃないですか?
こうやって、誰も居ない控え室でお話するだけなんです。
だから、あの夕焼けの下で、軽く触れるだけのキスをもらっただけなんです。
私の携帯で勝手に仔犬を検索しだした臣さんの横顔を見てると、好きすぎて泣きそうになります。
事務所に来るときはいつも他のメンバーさんより少しだけ早く来てくれて、お話する時間を作ってくれてるんです。
疲れてるのに……
少しでも眠りたいはずなのに……
気を遣わせてるのかなって申し訳なくなります。
こんな、何の取り柄もない私を気遣ってくれて……
もったいないなって
ほんとに私でいいのかな?って
もしかしたら、臣さんの気まぐれかな?って
そんな事ばかり考えてしまうんです。
『A?』
名前を呼ばれただけで、ほらっ!こんなにドキドキしちゃって目も合わせられないし……
『どしたの?眠いの?』
ちょっと笑いながら顔を覗き込んできて
あまりの近さに未だに仰け反ってしまうんです。
ゴンっ!
仰け反った拍子に壁で後頭部を打ちました。
痛くて泣きそうなのに
『あらあら大丈夫かよ(笑)』
打ったところを撫でてくれて、違った意味で腫れ上がりそうな気がします。
私は
いつになったら
臣さんの彼女らしくなれますか?
よしよしって臣さんの肩におでこがつくように引き寄せられて
いつまでも子供みたいで泣けてきました。
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作者名:花梨 | 作成日時:2018年3月9日 23時