青色の虹 (ページ37)

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「よかった、・・・おめでとう、」

「うん、ありがとう！」

嬉しくて、嬉しくて

君の手をとって今すぐ駆け出したいぐらい

俺の家でテレビ番組を飽きるまで見よう

ゲームもつまらなくなるまでやろう

ねぇちゃんだって久しぶりに会う君を見て

きっと喜ぶに違いない

母ちゃんも良かったねって言ってくれるだろう

俺も、君のためにお祝いのパーティーを開こう

「・・・手ぇ、繋いでもいい・・・かな？」

ここぞという時にヘタレな俺が

発した言葉はこんなこと

普通、もっと、感動的な何か、

・・・なんて、俺には出来っこないけど。

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彼女には俺の知らない空白の10年がある

その時間を全て知ることも、ましてや

巻き戻してやり直すことも絶対にできない

「・・・？」

ぎゅっと握った手に何かが当たる感覚がして

そっと手を開くと彼女の左手薬指、

俺たちが共に時間を過ごした証があった

俺たちが離れていても繋がっていた証があった

「え、なんで・・・、」

「だって、・・・たかくんのお嫁さんだもん」

まったく、君って人は、本当にやってくれるね

涙が出そうになるのをグッとこらえた

「その約束ってまだ有効？」

「有効だよ、って言ったら？」

「俺が卒業したら結婚しよう、」

「・・・喜んで」

一世一代のチャンス、

下手くそだけど俺なりの、俺らなりの

素敵な日になったんじゃないか

「A、好きだよ」

「私も・・・です、」

告白とプロポーズ、順番は逆だけど

「今日はAの退院記念日！」

「たかくんのプロポーズ記念日！」

「プロポーズとか言わないで、めっちゃ恥ずかしい！」

「えー、何回も言っちゃう！プロポーズ記念日！」

「だあああっ！もう！」

ずっと愛してるよ、花嫁さん

Fin.

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