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母ちゃんに抱きしめられて、
ひとしきり泣き続けたあの日以来
担任が我が家を訪れることも、
俺が母ちゃんの胸で泣くことも無くなった
そして、中学を、何となくやり過ごし
高校生になってからはAとの思い出を
消し去るようにサッカーにのめり込んだ
ひとりでぼーっとすると
いつも思い出すのは君のことだから
寝るとき以外は何かを考えているようにした
「いってきます、！」
高校生になり、電車通学になった俺の朝は
昔よりずっと忙しくなった
.
君がいた頃と何にも変わらない
ひとりで歩く、この道も慣れた、はず。
「やっべー、間に合うかな」
高校で新しく買ってもらった自転車も
たった少し、駅まで行くだけなのに
この3年間、壊しに壊してもう4台目
「・・・っはあ、はあ、はあっ・・・」
今日もまた、ギリギリ電車に乗って
じんわり汗をかきながら英単語を覚えて
4つ先の駅で降りて学校に向かう
はずだったのに
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作者名：葵
| 作成日時：2016年6月12日 11時
