青色の虹 (ページ20)

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そうだ、あの日は彼の誕生日だったんだ

仕事が休みで部屋を飾り付けケーキを買いに出かけた

その時事故にあっちゃったんだ

最悪な誕生日になっちゃったね

最悪に、私がしちゃったんだよね

「これ、見てみて？このネックレス」

泣きべそ顏の彼の首元にキラッと光るもの

私が置いて出た彼へのプレゼント

「家に、机の上に置いてあって。多分プレゼントだよな、これ。」

「俺よりサプライズとか好きなんだよ。」

「サプライズって普通男が女性を喜ばせるためにするもんだろ？」

「…そんな、ところもっ、好きで…大好きでっ…」

ああ、なんて私はバカなんだ

この人の隣で一生過ごしていたい

今になって痛いほど思うんだ

「これ付けてると、まだ、もう少し時間かかると思うけど、俺がんばろうって思うんだ」

「なぁ、ネコ…、Aは俺のこと見てると思うか？」

見てるよ、ずっと見てる

いい加減元気にならなきゃ怒っちゃうよ

私のっ…、大好きな笑顔見せてさ…

あれっ、おかしいな、目の前がぼやけてるよ

「A、…ネコ。がんばるよ、俺。」

「ネコ、お前も泣いてるのか？」

「ふふっ、お前いいやつだな」

あ、今、心から笑った

くしゃっとした笑顔

私の大好きな笑顔

私が見たかったそれはやっぱり何よりも輝いてキレイだね

ニャー、嬉しくて少し眠たくなっちゃったよ

おやすみ、ずっと私の大好きな笑顔で笑っててね

「ネコ…？なんだ、寝ちゃったのか。…おやすみ…A」

おやすみ、世界で一番優しい言葉だった

またね、健二郎

ありがとう、健二郎

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