＊ ページ7
どの描写でも、どの場面を切り取っても、二人とも笑っていた。リョウも幸せが滲み出るような弾ける笑顔であったし、「ショウ」という少年も綺麗な笑顔を見せていた。「ショウ」は、とても端正な顔立ちをしていた。
少し垂れている目に、それとは逆に吊り上がった凛々しい眉。小さな口に、右の唇の端にあるほくろ。リョウはそんな顔立ちをした「ショウ」に思いを馳せた。しかしこれだけは覚えていて欲しい。リョウは決して面食いではないということを。「ショウ」が端正な顔立ちをしているのは、そう、偶然である。
この国には同性同士で婚姻を結べるという法律が存在する。そのため、もちろん国民は偏見など持ってはいないし、なんなら、視察のために街に顔を出せば、そうゆうカップルとやらを見かけることが度々あった。
しかし、そんな国民であっても国王が同性が好きで、ましてや、名前しかわからない相手を王が思っているということを知ってしまったら、多少の疑念は抱くだろう。それに国民だけでなく、王室のもの達も軽蔑とまでは行かずとも驚いた視線を向けるだろう。そんなことを想像してしまい、悪く言っている訳ではないのにどうしてか居心地が悪くなってしまう。
恋愛は自由。どこの誰が言ったかは分からないが、その言葉に心底共感を憶える。世界は広い。そして、誰とでも恋愛をすることができる。しかし、その相手と出会える確率はごくわずかな確率で。
そんなことを以前リョウは耳にしたことがある。リョウは幼い頃の出会ったのだ。そのごく僅かな確率、世で言う運命とやらに。「ショウ」はリョウにとって運命の相手とでも言おうか。そんな存在であった。今も、昔も。そして、これからの未来も。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 348人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ai64955956(プロフ) - 向かい風さん» ありがとうございます！そうゆうお言葉をいただくととても励みになります…！ (2021年10月17日 18時) (
レス) id: 15933a666a (このIDを非表示/違反報告)
ai64955956(プロフ) - ABさん» そうです！ (2021年10月17日 18時) (レス) @page3 id: 15933a666a (このIDを非表示/違反報告)
向かい風 - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください！ (2021年9月27日 5時) (レス) id: 500150795e (このIDを非表示/違反報告)
AB - このお話は、あなたが一から全て自分で考えた設定ですか？ (2021年7月1日 11時) (レス) id: dec0e2be0d (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - kumiさん» ありがとうございます！最近、私情で色々立て込んでいまして、時間があるときに更新させていただきます！ (2021年5月16日 16時) (レス) id: 700f052364 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ai | 作成日時：2021年4月9日 0時
