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リョウが寝る間も惜しんで想う相手。その人物は、「ショウ」という人物であった。他に情報などない。リョウの記憶の中にある「ショウ」は、名前しか知らない、どこに住んでいるのか、そもそもこの国のものかさえもわからない。
そう、リョウは、目の前にいるものでもなく、どこのだれか分からないような、謎に包まれた人物のことを想っていたのである。その証拠に、このことはこの王室の限られたものにでさえ、言ったことがなかった。
もし、自分が下町の商人だとしよう。きっと軽い足取りで街を探し、国の隅から隅まで探し尽くし、見つからなければ、国境を越えてまで探したであろう。リョウはそれほど行動力のあるものなのだ。決して、商人を下に見ているわけではない。伝えたいのは、この国の権力者、王という立場がどれほど自由ではないかということ。
行動力のあるリョウであっても、立場上、勝手な行動など許されるはずがない。ましてや、どこの誰かもわからない相手を探すために。アベカルなどに言わせてみれば、リョウはダメって言っても聞かないでしょ、と言われるだろうが、迷惑をかける予定はない。リョウは様々な思いを胸に目を閉じた。その中でも出てくるのは、やはり幼き頃の記憶で。
幼い頃、この宮殿の広い庭で太陽の眩しさが映える、美しい少年と遊んだ記憶。
花や草などを集めるのに必死になり、太陽が暮れているのにも気づかなかったこと。
二人して、美味しいご飯を同じ机で食べ、一緒にお風呂に入り冷水を頭からかぶったこと。
そして、あの日美しい花に囲まれながら交わした将来の約束。
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ai64955956(プロフ) - 向かい風さん» ありがとうございます!そうゆうお言葉をいただくととても励みになります…! (2021年10月17日 18時) (レス) id: 15933a666a (このIDを非表示/違反報告)
ai64955956(プロフ) - ABさん» そうです! (2021年10月17日 18時) (レス) @page3 id: 15933a666a (このIDを非表示/違反報告)
向かい風 - めちゃくちゃ面白いです!!更新頑張ってください! (2021年9月27日 5時) (レス) id: 500150795e (このIDを非表示/違反報告)
AB - このお話は、あなたが一から全て自分で考えた設定ですか? (2021年7月1日 11時) (レス) id: dec0e2be0d (このIDを非表示/違反報告)
ai(プロフ) - kumiさん» ありがとうございます!最近、私情で色々立て込んでいまして、時間があるときに更新させていただきます! (2021年5月16日 16時) (レス) id: 700f052364 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ai | 作成日時:2021年4月9日 0時