遠い記憶 ページ48
『頼りにしておるぞ、空天。』
『はっ！ 朱夏様』
額に二本の角が生え、紫色の肌をした黒髪の凛々しい男は、朱夏の父の妖魔王の信頼も厚い優秀な騎士だった。
そこに、一人の女が現れる。
『フフ、相変わらずだの。お前たちは…』
『…宇受女か。』
『！ あ…宇受女殿。』
「あれは妾、宇受女だ。妾は、朱夏の幼馴染で親友だった。大人になってからは、侍女として仕えるようになっていたが、関係は友のままだった。」
「ってことは、A。お前の中のやつ… 宇受女だっけか。そいつも、朱夏や空亡と関わりがあるんだな？」
「ああ。まあな…」
妾は悲しそうに眉をひそめた。場面が変わり、夜になる。朱夏は、外で月を眺めていた。そこに、空天が隣に立つ。
『朱夏様とこの妖魔界を、私は守っていきたいのです』
互いの顔を見つめ合いながら立っている空天と朱夏は、ただの主従のような雰囲気に見えなかった。あれはまるで−
再び場面が変わり、朱夏の王座と二人のひざまずく男が見える。
「わらわも心の底から空天を信頼していた。だが… 空天が、わらわの父 妖魔王の命を狙っていたという知らせを受けた。
わらわは信じられなかった… いや、信じたくなかった。しかし、動かしがたい証拠ばかり。心であらがっても、認めざるを得なかった。
そして気づいた。空天がわらわに近づいたことさえも、ヤツの企みの一部だったと。そう… 空天は愚劣な裏切り者だったのだ！」
『やめろ！ 放せ！』
『朱夏！ なぜ空天を連れていく！ あやつは何も−』
『宇受女、裏切り者に逆らえば貴様も空天共々処刑だぞ！ やめておけ…』
『しかし…ッ！』
「空天は灼熱の牢獄で憎悪を抱いたまま死んだ。そして憎しみと災いをもたらす存在、空亡へと成り果てたのだ。
その時わらわは心に誓った。命の限り… いや、たとえ命尽きたとしても！ この世界を、妖魔界を空亡から必ず守り抜くと！
どれだけ長い時を経ても、その思いは変わることはない。」
「それが… ナツメのスピリット。生まれ変わるときに持つ、思い。」
「空亡… お前などにこの世界を、好きにはさせん！ わらわが、この世界を守る！」
すると、ナツメの体が光り、額からはっきりと二本の角が生えた。服と顔つきも変わり、完全に覚醒したようだった。
「朱夏… 妾も似たようなものじゃ。妾は、真実を知ろうともしなかった愚か者に真実を見せ、我が弟、空天を救うためにAに憑依していた！ それが、妾の『スピリット』！」
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます！忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました！本当に面白いです！！これからも更新頑張って下さい！！更新楽しみです！！（＾ν＾） (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます！フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします（＾◇＾） (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです！とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい！ (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます！なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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