酒と忠臣と梟と姫 ページ33
フクロウは眠ってしまったので、また机に向かっているとき玄関のチャイムが鳴った。時計を見ると、もう18時。
あれ、父さんはまだ帰らないはずなんだけどな… 郵便かな？
「はーい」
階段をかけ降りて、玄関に向かう。ドアを開けると… 酒呑ハルヤと島之内!?
「姫、お迎えに参りました」
「我らと共においでください」
私は、考えるより先にドアを閉めようとした。だけど、島之内が既に洞潔の姿になっていた。ドアをこじ開け、玄関にまで入りこむ。
「来ないで！ 嫌！」
「…御免！」
洞潔は、私の首に手刀を一発ぶちこんだらしかったが、すぐには何が起こったのかわからないまま、私は倒れてしまった。
少年は、酒呑ハルヤから酒呑童子の姿になり、Aを姫抱きで抱える。Aの右手を取り、その甲に口をつける。
「お慕いしております、弐の姫」
洞潔も、少女の左手を取りその甲に口付けた。
「我ら鬼族に、永遠の繁栄を…」
小さな鳥がその一部始終を見ていたことに、誰も気がつかなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…ん？」
目が覚めると、明るい部屋にいた。眩しい。眉をひそめながらも目を開けると、知らない部屋にいる。
回りを見渡すと、床には巻物や古そうな本がたくさん転がっていた。書いてあるのは… 昔のこと？
起き上がり後ろの窓を除くけど、辺りは真っ暗だ。今は、何時頃だろうか… 不思議と、頭痛は収まっていった。
私はさっき、気絶しちゃって… まさかこの部屋は！
「弐の姫！ お目覚めになられましたか！」
ノックもせずに入ってきたのは、酒呑童子。いやノックしてよ…
「ここはあなたの部屋ね？」
「さすが弐の姫、鋭いですね。ここは私が普段使用してる部屋でございます。」
やっぱり…
(A… どうするのじゃ？)
(「知らないわよ、そんなの… とりあえず隙を見てさ…」)
「姫、お目覚めのところ申し訳ありませんが、少々お付き合いください」
「私を家に帰してよ、あなたたち何をするつもりなのよ？」
「お気をつけください、弐の姫。今、天野ナツメの弟の命を握ってるのは我らなのです。」
「天野ちゃんの弟？ …何故！」
「弐の姫、ご同行願います。」
「私を脅すなんて…」
「申し訳ありません。」
そう言って、手を差しのべてくる酒呑童子。とりあえず今は、従うほうがいいわね。私は黙って、その手をとった。
酒呑童子は、にやりと笑った。
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます！忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (
レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました！本当に面白いです！！これからも更新頑張って下さい！！更新楽しみです！！（＾ν＾） (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます！フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします（＾◇＾） (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです！とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい！ (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます！なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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