日常改革 ページ11
「ただいまー」
…と言っても、家には誰もいない。私の家は父子家庭で、母とは割と最近別れた。私は父についていくことを選んだから、こうなっている。
「少し待ってて」
二階の自分の部屋に向かい、フクロウを机の上に置いた。ベランダに出て洗濯物を取り込み、自分のと父のとで分ける。そのあと風呂掃除を済ませ、再び部屋に戻る。
「お待たせ〜、あなたは今日からここで暮らすんだよ。」
そう言うと、フクロウは地面に降りて一回転した。すると、いつもの人型になった。
「あら、いつもの姿にも戻れるんだ。そりゃそうよね。」
「…あなたはA、でしたっけ。女子中学生と同居て、何かの罰ゲームのようです…」
「何それー、失礼ね。フクロウの子よ、口に気をつけよ。Aの子は面倒だぞ。
…あーうるさい! すっこんでて!」
わらわにお叱りをすると、フクロウは笑った。そして、真面目な顔で聞いてきた。
「なぜAの中には…その方がいるのだ?」
「んー… 話すと長くなるかな。それより、何か食べる? もう時間も遅いし、あなたが食べたいもの作るわ。」
フクロウは戸惑っている様子だった。
「…私の、食べたいもの?」
「え? ええ… それがどうかしたの?」
「いえ、そんなこと言われたことなかったので… 少し驚いただけです。」
「ふーん… まぁいいわ。で、何がいい?」
「…あなたの得意なもので…」
「分かった、そこの椅子座ってて。」
フクロウは、大人しく椅子に座っていた。
私は冷蔵庫から材料を取りだし、料理を始めた。こういうときに、父の分もいつもまとめて作っている。すると、俯いていたフクロウが喋りだした。
「…A」
「何?」
「…私を救ってくれて、ありがとうございました。」
私は目を見開いた。そんなこと言われるなんて思わなかった… えー、フクロウかわいいトコあるじゃないの〜 ←
「どうってことないわ。それに、最初に提案したのはわらわの方だもの。」
「…そうですか。」
私は作った麻婆豆腐をフクロウに出し、自分でも食べ始めた。
「…いただきます」
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スプラMOMIZI(プロフ) - ポンズイさん» コメントありがとうございます!忙しいためたまにしか更新できませんが頑張ります(^^) (2019年6月27日 7時) (レス) id: e49f68cb2e (このIDを非表示/違反報告)
ポンズイ(プロフ) - この作品を読ませて頂きました!本当に面白いです!!これからも更新頑張って下さい!!更新楽しみです!!(^ν^) (2019年6月25日 19時) (レス) id: 8014d49c6f (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - 真利奈さん» コメントありがとうございます!フクロウいいですよね…かっこいい… これからもよろしくお願いします(^◇^) (2018年8月10日 8時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
真利奈 - 私、フクロウが好きなので生きていて良かったです!とても面白い作品なのでこれからも更新するのを頑張って下さい! (2018年8月9日 23時) (レス) id: a3edb60187 (このIDを非表示/違反報告)
スプラMOMIZI(プロフ) - ヒカルさん» ありがとうございます!なんなんでしょうねあの方ねぇ、これからもよろしくお願いします(^∀°) (2018年8月9日 12時) (レス) id: 747e2b3768 (このIDを非表示/違反報告)
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