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アイビー【Kei Tsukishima】 ページ8

A
26歳.専業主婦.子持ち(3歳で男女の双子)
K.T
26歳.某会社員.Aの旦那.
KIDS
女児 : 夏海 男児 : 夏叶

kside
.


『ただいま。』


そう言い施錠すれば遠くから聞こえる3つの足音。


「「「おかえり!」」」


3歳児が3人。子育て大変だねこれ。


「パパ!ぼくね!ママのおてつだいしてたの!」

「わたしもね!ママのね!おてつだいしたよ!」

「そう!2人にね!お手伝いしてもらってたの!」


夏叶には偉いね、と伝え夏海にはいい子。と言い2人の頭を撫でる。


「え、まって私は?妬いちゃうんだけど。」

僕とAは俗に言う幼馴染というもので、かれこれ23年目の付き合いになる。

相変わらずというか、

『精神年齢低いよね君。』

そういえば双子に抱きつき、パパがいじめる〜!と泣き真似をしている。


『…そういう所だよ。』


そう言いながらも頬が緩んでしまう。それを隠すようにAの頭を撫でて

『中入るよ。』

と3人の横を通り過ぎ後ろ手に可愛い3つの足音に聞き耳を立てる。


リビングに入れば驚くほどの模様替えっぷり。


『え、なにこれ。どうしたの。』


「おてつだいしたの!」


声を揃えて言う双子に、その言葉に自慢げに胸を張るA。


『なるほどね。』


模様替えした理由を聞けば、友達が模様替えしてたからしたくなったとのこと。

壁にはアイビーという植物がぶら下がっている。テレビやソファの配置も変わっている。


『これ3人でやったの?』


「そうだよ?家具とかは危ないから私一人でやったけど。壁は手伝ってもらったの!」


いや、A1人でも危ないでしょ。


『こんど模様替えする時は僕も仲間に入れてよね。』


「え〜!仕方ないな〜!」


Aの扱い方は誰よりもわかってるつもり。

こう言わないと絶対また1人で危なっかしいことする。


「パパ〜!おふろはいろ!」

「わたしもはいる〜!」


『ん、入ろうか。準備しておいで。』


自然と緩む頬に逆らうことをやめ2人の頭を撫でる。


「蛍がにやにやしてる。ニマニマ」


口でニマニマっていう26歳は多分Aだけなんだろうなと思いながら入浴準備するのに遠ざかる足跡を背にAの額に口付けを落とす。


『…ただいま、A。』


きっと僕好みのデザインに模様替えしてくれたんだろう。明らかにAの好みではない。


「ねぇ蛍、アイビーの花言葉知ってる?」


『残念ながら知らないんだよね。』


「蛍でも知らないことあるんだ!」



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作者名:菅田 | 作成日時:2020年11月28日 4時

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