第捌拾壱話 ページ33
A視点
『友達をやめて親友にならない?』
私には親友はいなかった。しのぶと蜜璃は親友なんだけど戦友みたいなところがあって、正真正銘の親友じゃなかった。あとはいつ別れるかも分からないから、安心して会って笑えることが嬉しかった。そんな嬉しい気持ちにさせてくれたのは彼だ、だから親友になりたい。
リドル「!僕でよければ!」
想像していたよりも彼は笑っていた。私は初めての親友ができて嬉しかった。師範が言っていたのはこういうことかもしれない。
『よろしくね、そうだ!年齢とか気にしないで仲良くしよう。』
リドル「うん、これからは沢山笑って沢山泣こう。親友なのだからね。」
前を見ると夕日がもうだいぶ昇っていた。きっともうそろそろ夕方なのだろう。
夕方は嫌な思い出しかない。そう夜に近づいていくから。夜に戦闘がある、人が死ぬ。永遠と、これ。
『早く帰ろう、、って言っても私今日は自分の屋敷に帰りたくないや。』
リドル「じゃあハーツラビュルに来るかい?君の寮とはまた違って面白いと思うよ。」
なんて優しいのだろう、でもなんだかしのぶみたい。甘と喧嘩したときは蝶屋敷に泊ってたっけ。
『それではお世話になります。刀は持って行ってもいい、?』
リドル「もちろん、それは特別な刀なのかい?」
『!えっとこの刀はね、、』
この調子で喋りながら歩いていたら鏡舎に到着した。今まで自分のことを聞かれなかったから嬉しかった、楽しかった。それに私が話しているときに彼が優しい顔で聞いてくれるから安心する。こんなにも求められるって嬉しいことなんだな。新しい感情を見つけた。
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雨中猫 - たのしみ (2022年1月19日 20時) (レス) @page36 id: 4588060cb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緩瀬ねむ | 作成日時:2021年1月9日 14時