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第漆拾漆話 ページ29

A視点

何でそんなに心配してくれるんだろう。自分のことじゃないのに、そんなに気にすることじゃないでしょう?

周りは「やめなさい」しか言わない。そんなこと言わないで、やめたくないよ。


『ほっておいてよ、お願いだから。』

小声で言ったつもりだったのに、何で聞こえちゃうんだろう。心配してくれているのは分かっているのに、本当は少し嬉しかったのに。素直になれないって嫌ね。


『それじゃあ。』

1言だけ言い放って扉を閉めた。外を見るとさっきまで快晴だったのに、大雨が降っている。まるで私の心の中を現すかのように雨風が強い。さっさと帰ろうと思ったのに。


こういう時は、走る。
とにかくとにかく自分が分からなくなるくらいまで走る。気が付いたら全然違うところにいて、最終的には笑ってる。

そして、よく海に行くの。海は人が少ないから声が通る。それを利用して思っていることを全部叫ぶ。流し手紙を受け取ったのも、叫んだ後だったっけ。

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雨中猫 - たのしみ (2022年1月19日 20時) (レス) @page36 id: 4588060cb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緩瀬ねむ | 作成日時:2021年1月9日 14時

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