キャンパスライフ２ (ページ9)

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しばらくうろうろして、やっと座れそうな場所を見つけると空がうっすらと暗くなっていた。

途中のコンビニで買ってきたシートを
広げるために、自然と繋がれた手を離す。

｢ねぇ、のんちゃん！お腹空かない？
なんか買ってこようか？｣

｢いや、こんな人おるのに迷子ならん？
戻ってこれなかったら1人で見るとか嫌やねんけど｣

のんちゃんが少しムスッとしたのがわかった。

｢大丈夫だよ！屋台すぐそこじゃん｣

｢それやったら俺行ってくるけど｣

｢いいのいいの！私が行きたい｣

｢んー、じゃあ焼きそばとか？｣

｢わかった、買ってくる｣

少しだけ1人になりたかった。

手を繋いだのに、何事もなかったように
のんちゃんに接することができるほど
私は器用じゃない。

屋台はものすごい行列を作っていたが、
その間1人になれることに安心した。

いろいろな屋台が並んでいて、目移りしてしまう。

水あめもいいな、チョコバナナも食べたいな、
じゃがバターも捨てがたい！
なんて考えながらしばらく列に並んでいると
見知った顔を見つけた。

わくわくしていた気持ちが、
一気にしぼんでいくのがわかる。

こんなところで会いたくなかった。

気づかないふりをしようと思ったのに、
まるで私の視線に気がついたかのように振り返る。

人違いかもしれない、という期待も砕かれた。

おっ、という顔をしてにこっと笑ったシゲが
一瞬気まずそうな顔をしたのを見逃さなかった。