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出る時間!と起こされ、驚いて起き上がる。
私もあのまま眠ってしまったのか。
「ごめん、起こしてくれてありがとう」
「やっと起きた。ほんまよく寝るな!」
呆れて笑っているのんちゃんは
いつもののんちゃんに戻ったみたいだ。
少しほっとしている自分がいる。
漫喫を出ると、朝日が眩しい。
6時を少し回ったくらいだけれど、
駅へ向かう人たちはいろいろな表情を浮かべている。
私はなんだか清々しい気持ちになった。
早起きした日と同じ気分。
「こんな時間に起きてることないから、
なんかやる気が湧いてくるね!」
「いや、単純か!
どうせ帰ったら寝るんやろ?」
「多分ね」
「ほんましょうもないやつ。
・・・そんなんだから放っとけんねん」
少しぶっきらぼうにそう言い放つのんちゃんを見て、あれ?と思った。
「あはは、ふみちゃんにもよく言われる」
少しだけ違和感を覚えたけれど、
打ち消すように笑ってごまかした。
電車に乗ると心地良い日差しに包まれて、
1日が始まるという感じがする。
「花火今週末やけどほんまに行ける?」
「あぁ、うん!行けるよ!」
「そか、楽しみにしとく。俺、今年初花火大会やねん」
「私も!」
このままでいられますように、と
心の中で願っていた。
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作者名:ひろか | 作成日時:2019年11月12日 18時