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漫喫に入ると、2人で座るには思っていたより狭いな
なんて思った。
各々、漫画や飲み物を取ってくる。
私がソフトクリームを食べようとしていると、
こんな時間に太るでと言われた。
のんちゃんは居酒屋でたくさんお酒を飲んだからか
締めのみそ汁を持ってきている。
隣同士並んで座るとやっぱり距離が近くて
時折、肩や腕が触れてどきっとする。
なんとなく居心地が悪くて、読んでいた漫画を机に置くと
のんちゃんが口を開いた。
｢まさか神ちゃん別れると思わんかったよな｣
｢ね、帰ってきたってLINEきたときびっくりした｣
｢な。まぁ、でもふみみんからしたらよかったんかな｣
｢そうだろうけど、ふみちゃんのことだから最初はめちゃくちゃ気を遣いそうだなぁ。
今だって純粋に喜んでるとは思えないもん｣
｢ふみみんそういうとこ真面目っていうか、律儀よな。
あんなツンツンな性格やのに｣
｢あ！ふみちゃんに言っちゃお｣
｢やめて！俺にだけめちゃくちゃ怖いから！｣
周りに迷惑にならないように
声をひそめて2人で笑う。
｢Aもシゲなんかやめて俺にしたらええのに！｣
｢なんで急にそうなるの〜？
のんちゃん好きな人いるんでしょ？｣
｢うーん、まぁ｣
｢そういうのは好きな人に言いなさいっ｣
｢Aやもん｣
｢嘘つけ｣
｢嘘ちゃうし、ほんま｣
｢はいはい｣
｢･･･じゃあ、今日だけ｣
そう呟いて私の肩にもたれかかると
急に眠なってきた〜と言って目を閉じた。
のんちゃんの匂いがする。
柔らかい髪が少し頬に触れた。
今日ののんちゃんは、いつもと違う人みたいだ。
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作者名：ひろか | 作成日時：2019年11月12日 18時
