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のんちゃんが一生懸命教えてくれたおかげで
ボードまで届くようにはなった。
なんとか届けばゲームができるからと
カウントアップとゼロワンをしたけれど、
当たり前だがあっさり負けた。
｢センスないな｣
｢うるさいな。初めてだもん｣
｢俺、ブルいれたんかっこよかったやろ？｣
確かにかっこよかった。
絵になる、という感じ。
｢そうだね〜。というよりのんちゃんって教えるの上手だよね｣
｢おい、流すな。教師なりたいからな｣
｢えっ！のんちゃんが？
じゃあ教職の授業取ってるの？｣
｢当たり前やん｣
｢えー意外！高校教師とかになったら
女子生徒からめっちゃモテそう｣
｢そやろ〜！それ狙っとんねん｣
冗談なのか、本気なのかよくわからない
トーンでそう答えるから笑ってしまう。
神ちゃんたちがダーツを楽しんでいるのをちらっと確認すると、
少し抑えた声で
｢A終電もうあかんやろ？｣と聞かれた。
｢のんちゃんも、もうないでしょ？｣
｢そやねん、どうする？｣
｢うーん、どうしよう｣
始発までは長いし、みんなで朝までいるのかな
と思っていたけれど。
｢なぁ、漫喫でも行かん？｣
｢え、みんなで？｣
｢ちゃう！2人で｣
｢でもみんなは？｣
｢ええやろ、放っとけば｣
｢うーん、いいよ｣
｢じゃ、行こ｣
いたずらっぽく笑うのんちゃんが
かわいくて、何故だかわからないけれど
いつもよりかっこよく見えた。
2人だけで抜け出すなんて
なんだか少しワクワクしてしまう。
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作者名：ひろか | 作成日時：2019年11月12日 18時
