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「え、なんで帰ってないの」
「なんかAが今日ずっとムカつく顔してたから。…まあいつもだけど」
「ヘイそこの眼鏡お口にチャック」
いやもうチャックというか鍵つけてロックものだよね。
お口にロックだよね。
なにコイツそんな暴言吐くために残ってたの?とジト目を向ければ、彼は呆れたようにハア、とため息をついて。
「まあいいや本題。……で、結局何がやりたかったのさ」
「…は?」
唐突に発された問い。
一瞬質問の意図が読み取れずに首をかしげる。
察しが悪い私に苛立ったのかあからさまに月島は顔を顰めた。
「いくらAが単細胞だって言っても、甘いもの食べれなかっただけでそんな一日中ヘコんだ顔してないデショ」
「やっぱり一言多いよなツッキーって奴は」
「君もね。いい加減ツッキー呼びしないでくれる」
この場は茶化して終わってしまおうと一旦は思ったものの、彼の目は明らかに真剣で。
「…そんなことより質問の答えは?」
もう帰りなよと発しかけた口を一度閉じたのち、バツが悪くて目をそらす。
「あー…なんて言うか…
…私さ、いきなり死んだじゃん?
皆にはこうして会えてるけど親には会えてないじゃん?
だから体があればお礼なりお詫びなり言えたかなって…日向に体返却した後にふと思っただけ。
…うん。なんかそんな感じ」
オイこれ語ってどうするんだ自分、と話の着地点を見失ったそばから後悔。
当然と言えば当然かもしれないが訪れた沈黙は渾身のギャグがスベった時より数段重い。ぶっちゃけ心が折れそうだ。
よりによって月島だし、笑ってもらえる確率は地球に隕石が落ちる可能性より確実に低いがいっそここらで一発ギャグでもかますかと、間違った方向に思考が暴走し始める。
…そんな時だった。
私をじっと見て微動だにもしなかった彼が、ふいにその口を開いたのは。
「…僕の体、貸してあげてもいいけど」
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トマトまと(プロフ) - 面白すぎて何回も見ちゃいます…更新頑張ってください!皆のいじりとかスッゴい好きです!教頭のカツラが浮いたときは私も息ができなくなるくらい笑いましたww (2021年9月1日 16時) (レス) id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
見毛 - うっわ影山ヤバ…好き。もう何か全部ひっくるめて本当に大好き。愛してるよゲームとかホントぶわっしゃーってなったかんね。岩ちゃんイケメンマジムリ。及川ホント好き結婚して苗字及川にしたい。おっかあと話すやつはもうっっ本当にこのシリーズ好き… (2018年6月16日 15時) (レス) id: c96f8cad10 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 未練事情から全部見ました!全部面白かったです!更新頑張って下さい! (2017年6月10日 9時) (レス) id: 6c4f9b02d8 (このIDを非表示/違反報告)
?ルナ??(プロフ) - すごい面白いです!!更新楽しみにしてます!! (2017年3月5日 14時) (レス) id: 4edd0d369a (このIDを非表示/違反報告)
智里☆ - メッチャ吹き出してしまいました!!続き楽しみにしてます!! (2016年5月7日 17時) (レス) id: b628f2a1bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぴあ | 作成日時:2015年7月27日 12時