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改めてお礼しなくちゃいけないと思ったのに。
営業さんって言ってたから、
いつもこの電車に乗るわけではないだろうし
また会える可能性はないに等しい。
心の中で、ありがとうございました
このご恩は一生忘れませんと誓った。
駅員さんにもお礼を伝えて、救護室を出ると
私も電車に乗って会社に向かう。
スーツの男性は標準語を話していたけれど、
所々に関西弁が混ざっていた。
関西出身の人なのかな。
大毅のことを思い出す。
引っ越してきたのは3歳だったのに
大毅は頑なに標準語を喋らなかった。
それで中学の時、いじめられたこともあったのに
自分の意志は絶対に曲げないという強さがあった。
何をされても「まぁ、そのうち飽きるやろ」と笑うから、
そんなところも大毅らしいのかなと思っていた。
中学生の私は周りの目が気になって、
普通であること、皆から外されないようにすることばかりを考えていた。
だから、大毅をすごいなぁと思いながら黙って見ていた。
今思えば、大毅は1人で戦っていて
孤独だったのかもしれない。
今さらそんなことを考えても仕方ないけれど。
そういえばさっきの夢。
また妙にリアルだった。
まるで本当にその時に戻ったような感覚になる不思議な夢。
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作者名:ひろか | 作成日時:2019年11月30日 19時