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何か他の話題を探さなくちゃ。

｢あっ、そうだ！職場の後輩が言ってたんですけど、藤井さん学生の頃モデルされてたんですか？｣

｢あぁ、はい。大学2年くらいまでかな？
高校の時にスナップで声かけられてから、そのまま読モみたいなんしてました｣

｢すごい！お写真拝見しましたよ｣

｢いや、もう恥ずかしいんで忘れてください｣

｢そんな！めちゃくちゃ素敵でしたよ！
後輩もなんで芸能人にならなかったんだろうって言ってましたし｣

｢うーん、やりたいことがあるんです。
そのうち帰らなくちゃいけないので｣

｢大阪にですか？｣

｢え、あっ、はい、そんな感じ･･･かな｣

｢そうなんですね｣

藤井さんの取って付けたような返事に
少し疑問を抱きながらも、
やっぱりそれぞれ仕事や人生に目標を持って生きているのだなと思う。

｢また飯でも行きましょう｣

｢そうですね！｣

｢今度は俺のおすすめのお店紹介します｣

｢楽しみにしています｣

定食屋の前で別れて、歩き出そうとしたら
｢あ、坂本さん｣ともう1度藤井さんに呼び止められた。

｢また、幼なじみの方のお話聞かせてください｣

｢え？｣

｢なんだか、とても辛そうに見えたので｣

｢･･･ありがとうございます｣

あの一瞬で見抜かれてしまったのか。
最近、大毅のことばかり考えているからかな。

｢俺でよければ、ですけど｣

なぜだかわからないけれど、
藤井さんにはなんでも話せてしまう気がした。