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「大毅、上履き・・・」
「え?何?」
そうか。これはちょうど大毅が
関西弁をからかわれていじめられていた時期だ。
「いつ・・・やられたの?」
「ん?前からこうやったやん」
「前からって・・・なんで黙ってやられてるの?」
「Aどしたん?
俺がいじめられてるとこ、いつも見て見ぬふりしてるやん」
「・・・っ!」
大毅は俯いていて、表情が読み取れないが
そんなことを思っていたのか。
私が大丈夫?と聞くと
そのうち飽きるやろと言っていたのは、
私に言っても頼りにならないと思われていたからだ。
「いっつも大丈夫?って聞くけどさ、
俺やって大丈夫じゃないことあるよ?」
「ごめん」
それなのに私に普通に接してくれていたんだ。
私はずるいから、あの頃極力大毅とは
学校で話さないようにしていた。
けれど学校を出て、ただの幼なじみになってしまえばそんなことは関係なくて
お互いの家を行き来しては、よく遊んでいた。
でも、それが1番大毅を傷つけていたということに今さら気付く。
「あ、いや。ごめん
ただの八つ当たりやわ、忘れて」
大毅が私の横を通り抜けていく。
遠ざかっていく背中を見つめることしかできない。
華奢な背中は、まだほんの少年であることを物語っていた。
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作者名:ひろか | 作成日時:2019年11月30日 19時