セブチの謎多きPDは日本人です。 (ページ47)

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#　ジョンハン . ページ47

なにやらニヤけて、嬉しそうに画面に夢中になる一人の弟が目の前にいた。

どうせユウとやり取りでもしてんだろ、なんて心当たりは当たったようで、スングァニに呼ばれた彼は少し名残惜しそうにスマホを置いて去っていった。

「……」

つい魔が指す、というものだろうか。

ユウとの連絡手段は電話しかない俺にとって、カトクでやり取りするホシに対して沸き上がる気持ちは羨ましい、という感情なのか嫉妬心なのか。

まるで自分のものかのように、虎のスマホケースが付いたそれを手に取る。

流石にロック解除はできなかったが、ロック画面に移るのはカトクの通知を知らせるメッセージだった。

ユウ＜すごい楽しかったぞ～＞

ユウ＜ホシ全然来ないけど、今度おいでよ＞

予感的中。

リアルではすらすらと話せないようなアイツなのに、なぜ誘われるんだ。

なんていう、どうしようもない嫉妬心で眉間に皺を寄せると、隣の部屋から「ありがとうございました～」なんて、覗かれてるとは知らない呑気な声が聞こえてきた。

やば、

そんな言葉が脳内をよぎるがいなや、なぜだろう、相手のスマホをあろうことかポケットに突っ込み、そのまま何事もなかったかのように座り直してしまった。

HS「なぁ、俺のスマホ知らない??」

そう聞かれ「知らん」なんて答えると、相手がディノの方へ行ったのを横目で確認できた。

その隙にそっと元あった位置に戻し、何気無く付いた画面に目をやる。

ユウ＜そのときはハニひょんとディノもみんな連れてきてよ…w>

どくりと心臓が音を立てた。

「みんな」の中の一人ということは分かってる。

ディノのように例をあげただけのことは分かってる。

でもそれでも、頬は熱を持って胸は高鳴るのは可笑しいだろうか。

帰ってくるホシの「…あった。」という声に対して、動揺を隠そうと「良かったな」なんて変な返しをしてしまった。

俺らしくねぇな。