セブチの謎多きPDは日本人です。 (ページ31)

今日:13 hit、昨日:9 hit、合計:73,014 hit

#　 . ページ31

ある日、二人の大人がやって来た。

産まれてから6年目の冬だった。

JA『こんにちは』

そう笑顔で話し掛けてくれる女の人。

YU『……ご、めん、なさ、ぃ…』

『ジアさん、その子は何を話し掛けてもごめんなさいしか言えなくて…』

施設の大人がそう言う。

ジア、と呼ばれる女の人はニコニコの笑顔でこう言った。

JA『あら、それなら私が教えるわよ～』

朗らかで落ち着く声でそういう彼女は、今まで会った大人とは違うと思えた。

YU『ぅ、ぁ、』

言葉が上手く出てこない。

喉が強ばり、汗がだらだらと流れる。

JA『ふふふ、大丈夫だよ』

そう僕に言って、暖かく抱き締めてくれた彼女に手を握られる。

JA『決めた!!あたし、この子のお母さんになる!!』

もう一人の大人にそういうと、僕の手を握ったまま立ち上がる。

JA『帰ろう、家に』

女神さまにみえた。

暗かった僕の世界を明るく照らしてくれた女神。

信じられる気がした。

～～～～～～～～～～

YU『ぅ、ぁ、ジ、ア』

『『!!』』

二人が驚いてこちらを凝視している。

あれから僕は、彼女らの家、と呼ばれる場所で住むことになった。

JA『すごい!!すごいよ佑狸!!』

僕を引き取ってくれたジア、いや母親は僕をそう名付けてくれた。

僕を産んだお母さんには、一度も名を呼ばれたことがなかった。

施設でも話しかけられることは0に等しく、名前すら必要のない存在だったのだ。

JA『えぇと、……佑狸、ゆうりにしよう、うん。』

そう呼ばれると何故だかくすぐったくて、

JA『今日2/9は佑狸の誕生日!!』

僕が家に住み始めた日には見たこともない食べ物でお祝いしてくれた。

幸せだった。

～～～～～～～～～～

急に過去の重い話になったあげく、オリキャラ沢山出してしまってすみません…

セブチメンバーはもう少しで出てきますので暫しお付き合いください…