初めて恋する者たちへ［S.COUPS WONWOO］ (ページ13)

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ウォヌとのデートの次の日。
私はいつも通り、愛のない人間に呼び出されて、夜の街を並んで歩いていた。
今は奥さんが実家に帰ってるから外を出歩いても大丈夫、とか言ってるけど、私は気が気じゃなかった。
見つかったとして、どうせこいつは私のせいにするつもりだろう。
女の恨みが怖いってこと、こいつは何もわかっていない。
とは言いつつ、昨日はウォヌとデートしてしまったわけだけど。
あれやこれやとぐるぐる考えていると、男は突然立ち止まった。

「やば」
A「何？」
「嫁が家に帰ってきたらしい、俺も帰るわ」
A「…わかった、じゃあね」

ほら、間一髪だった。
そそくさと帰っていく後ろ姿はやけに呆気なくて、こういう時に私を選んでくれる人っていないよな〜、なんて他人事のように考える。
別にあの男にそうしてほしいとか、そういうわけじゃなくて。
むしろあの男はどうでもいい。
二択を迫られた時に私を選んでくれる人がほしい、とそう思っただけだ。
あ、ミンギュなら選んでくれるかな。
いやでも、さすがにあの幼馴染ちゃんを選ぶか。
あの子にゾッコンだもんな、ミンギュは。
選ぶ権利があるって羨ましいな。

そんなフワフワしたことを考えながら夜の街を1人で歩く。
予定もなくなって暇になったし、ミンギュでも呼び出そうかと考えていた時、たまたますれ違ったある人と目が合った。
その人も私に気付いて、私に向かってにこりと笑う。
そこにいたのは、

SC「また会えたね、Aちゃん」

私と同じく1人で歩いていたスンチョルさんだった。