閑話休題 ページ26
side M
控え室でメイク直しをしているAを鏡越しに見る。
「Aがそういうリップつけてるの珍しいなあ」
『…わお、よく分かるなあ』
そんなに見てくれてんの？とリップを塗り広げるAが笑う。
なんていうの、いつももっと、…べ、べとべと？ぷるぷる？って言うの？
『マット乾燥するから付けへんねんけどな、これ貰ってん』
「へー」
まっと。それそれ。
『チューしても落ちひんねんて。キスプルーフらしい』
「きすぷるーふ」
そんなんあんの？リップを拾い上げると“ロックドキス”とかかれた裏面。
ふーん、すごいな最近は。
「…試してみる？」
『…まさかどくんて、試してみていい？じゃなくて、試してみる？って聞くよな』
「…無意識やったわ」
Aがよく言う、ずるいってそれのことか。
『どうぞ試してみて？』
んっと目を瞑るA。
雰囲気もへったくれもあらへんけど、据え膳食わぬは男の恥よな？
椅子に座ったままこちらを見上げるAにそっと唇を合わせに行く。
『そんなんじゃ落ちひんて』
「もっと？」
『うん』
今度は音を立てて吸い付く。
Aの首後ろに手を回すと、俺の肩にAの手が置かれるのがかわいい。
ちら、と薄目を開けると鏡越しに自分たちが見えて。
背景はいつもの楽屋。光景やば、と思っているとAが薄ら目を開く。
目が合って、ほんのり覗く舌が、あ、やばい。
ばっと勢いよく離れる。
きょとんとしたAがこちらを見上げた。
『なに？』
「いや、…反応しそうやった」
『…それもう手遅れちゃうの(笑)』
首を傾げて笑ってる。
ずるいのはAの方やろ？この子に落とされへん男なんておらんて。
「くそ〜…今日家行くから」
『えー、予定ある』
「なんの？」
『楽らご飯連れてかなあかん』
「岡とか？」
『そう』
てことはAは酔っ払って帰ってくる可能性が高い。勝った。
「迎えに行くわ」
『運転できんやん！』
「タクで一緒に帰ろな？」
ぎゃはぎゃは笑ってられるんも今のうち。楽しみやなあ。
「てかさ、…そんなリップ誰にもらったん？」
『んー、ないしょ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 557人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はに(プロフ) - kkさん» わ~嬉しいですありがとうございます🥲思う通りに全然表現できなくて、伝わらないかなあと思いながら書いてたので本当に嬉しいです🥹🎀そこの関係性はもっと深くなる予定ですし、他にもでしゃばってくる予定です🌟ありがとうございます (11月9日 21時) (
レス) id: 8b923b9c56 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - はに様の更新を最近の楽しみにさせて頂いてます❤︎メンバーとの絶妙な距離感(特に💙や❤️)がめちゃくちゃ大好きです❤︎これからも更新楽しみにしています🥹💕 (11月9日 10時) (レス) id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はに | 作成日時：2023年10月11日 20時
